2017年12月13日

第167回「ともに瞑想を」―磁場と反転 その人 田池留吉 part3-



いわゆる「コペルニクス的転回」は、天動説から地動説へということでした。
勘の良い人は、何となくお分かりかと思います。
そうです、本書でいう「コペルニクス的転回」は、自分の基準を有限の世界から無限の世界へ180度転回するということなんです。
自分を限り有るもの、肉体という形を指して自分だと思っているところから、自分は無限の存在なんだ、形のないものなんだと知っていくところへ、あなたの立ち位置を変えていきましょうということです。
つまり、あなたの立ち位置を変えていくこと、物の見方、考え方、判断基準を180度変えていくこと、これが私達の「コペルニクス的転回」です。
目に見えるこの肉体が自分だという思いを、自分は目に見えないエネルギーなんだという思いに、180度、くるりと転回していくということが、たった一つの大切な、大切なポイントです。
実は、私達人間はみんな、自分の判断基準を有限の世界から、無限の世界に変えていくために、生まれてから死ぬまでの時間を用意しているんです。つまり、私達はなぜ生まれてきたのかと言えば、この「コペルニクス的転回」を遂行し達成していくことにあるんです。
私達は、本当は、自分とはどういう存在なのか、人間の本当の姿とはどういうものなのかということを、知らずに死んでしまってはいけないんです。しかし、現実はというと、殆どの人が、自分の本当の姿を垣間見ることなく、この世を去っていきます。
生きているときは、それなりに楽しくて愉快な時を刻んだとしても、私達には、死んだあとの時間というか、空間があります。死んでしまえば、生きているときにとらえてきた形のある世界は、全く何もありません。あるのは自分の思いの世界だけです。しかも、その思いの世界というのは、生きているときに感じているそれとは、到底比較できないほどの厚みというか重圧です。
例えば、今、あなたが寂しいなあと感じている感覚と、あなたの肉体がなくなった状態で感じてくるその寂しさの感覚は、比較にならないほど違うということです。
肉体という形がいわゆるクッションの役目をしています。
だから、例えば、寂しいという思いも、肉体を外してしまえば、もっとストレートに、一気に自分に迫ってくると言えば少しは想像ができるでしょうか。
ただ、現実には死んであの世から帰ってきた人などいないから、死後の世界と言われても判然としないし、どうも現実的ではないということが本当のところだと思います。
しかし、私達は死んでも存在しているんです。このことを生きている間に少しでも信じていけるようになって、しかも、死後の自分はどのような状態で存在しているのかということを知りながら生きていくことが、何よりも大切なことではないでしょうか。
私は、今を生きるとは、死後の自分を知りながら生きていくことだと確信しています。そして、それが本当の人生を生きることなんだと思っています。
だから、生きているときに、本当に自分の人生を歩いてくださる方が、一人増え、二人増えというふうになってくれば、もちろん、世の中は大きく変わります。
それ以外は、どんなに私達が鋭意努力しても、真の平和などやってこないし、私達人間が本当の喜びだとか、本当の幸せに目覚めるはずはないんです。
私は、以前に『意識の転回』という本を出版させていただいています。
この発想の転回についての詳細は、拙著『意識の転回』に掲載されていますので、興味を持たれた方は、どうぞ、一読くださればと思います。
本書は、この「コペルニクス的転回」をできる限りスムーズに遂行していけるように、磁場と反転というテーマより語っていく内容となっています。
posted by UTAブック at 22:03| 大阪 ☁| Comment(0) | 磁場と反転ーその人、田池留吉3ー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする