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第3章 母なる宇宙
1 目を閉じてごらんなさい
何も思わずに、何も考えないで、目を閉じて時間を過ごすことができる喜びを知っていますか。
人間は、アンテナを張り巡らして、目が開いている間は、四六時中、情報を受け取ろうとします。つまり、自分の心はいつも外に向けられている状態です。それが生きている証なのかもしれませんが、心は忙しく動いています。
何かを思い、何かを考えて、そして、行動をする習性を持っている人間に、「何も思わないで」「何も考えないで」というのは、案外難しいことかもしれません。いつも、何かを思い、何か段取りを考えてしまいます。
「何も思わないで」「何も考えないで」というのは、一見生産性が低いように見受けられますが、自分の中に意識の転回が着々と進んでいけば、目を閉じて、すなわち五官を閉じて、真実の世界に思いを向ける瞑想という作業は、何よりも生産性の高いことなのだと、感じていくことができると思います。
生産性が高いというのは、プラスに作用していくエネルギーを流すということです。
真実の方向に、しっかりと針を合わせ、思いを向けていけば、自分が培ってきたマイナスのエネルギーも、真実の世界から来るエネルギーの中に、溶け合って、プラスに転じていきます。
つまり、いながらにして、仕事をしていることになります。それは、かなり生産性が高いということになるかと思います。
身体も心も、クルクルと独楽鼠のように動かして、一体どれだけのものを生産してきたのか、また、どのような質のものを生産してきたのか。目に見える世界がすべてだとしてきた私達は、大いに反省を促されるべきだと思います。
人間が、これまで築き上げてきたもの、有形、無形に関わらず、そのすべてを破壊し尽くすエネルギーと出会って初めて、自分達の目が覚めていくことだろうと思います。
そして、人間は、その時点で、本当の意味で何かを思い、何かを考えていくのではないでしょうか。
その崩壊は、半端ではありません。ことごとく崩壊していきます。
当然、小手先だけの、その場しのぎの対策などでは、どうしようもないと、はっきりと感じていくのです。
そして、やがて、何もできないことが分かってくるのです。
何もできないというのは、肉の人間として、何もできないということです。肉そのものに、そのようなパワーがあるはずがないからです。
しかし、一方で、肉を生かしていくパワーが、そこに存在することを知っていきます。
そのパワーの存在に気付くために、形を持ってきただけだったと、自らの秘めたるパワーを、心で感じていくのだと思います。
そのパワーの源は何か、それは、肉を外したところでしか分からないことも、自然に分かってきます。
目を閉じて、五官を閉じて、そして、本当の自分の存在に出会っていく、その過程を経ていくことが待ち望まれているのだと思います。
◇
瞑想、心を中に向ける時間をゆったりとして持ちましょう。自分の外には何もありません。あると思うのは錯覚です。喜びも温もりも幸せも本当の生きる意味も、全部全部自分の中にありました。肉、形を基準とする心ではそれはわかりません。幸せも、喜びも儚く消えていくものだということ、それはみんな知っているけれど、この肉を持って生きている間、それを必死で求めていきます。それしかないと求めていきます。その愚かさに1日も早く気づいてまいりましょう。
それでは、軽く目を閉じてください。丹田呼吸をしてみてください。
私たちは、間違ったパワーを求めてきました。自分の外に、パワーを求めてきた心、その心、その思いに、少し触れてみてください。
ありがとうございました。